県指定文化財
山田家本屋 移築復元工事
(やまだけほんや)


●第1章/基 礎
●第2章/補 修
●第3章/組立・構造体
●第4章/組立・内部
●第5章/茅葺き
●第6章/土壁塗り
●第7章/屋根完成
●最終章/完 成
山田家
■山田家のいわれ
戦国時代に毛利元就の三男、小早川隆景(たかかげ)の家臣を、江戸時代は萩藩の重臣堅田氏の家臣を勤め、学者や歌人など多才な人物を輩出した家柄です。
山田家本屋
台所回りの筵天井(むしろてんじょう)、中二階の隠し部屋、座敷の刀隠し、回転式の雨戸等、室町時代の武家屋敷の趣きを持つ平家建て。茅葺の曲家で250年間も存在していたことは極めて珍しく、脇床吊棚の襖絵は江戸後期の徳山藩お抱え絵師、朝倉南陵が描いたもの。幕末には萩藩主をはじめ、勤皇の志士が立ち寄ったと云われています。
建築年代/江戸時代初期、元禄年間
本来の所在地/戸田(へた)の山陽道沿い、湯野温泉入口西
様式/中門造
広さ/約82坪、15部屋余り
文化財指定年月日/昭和30年1月25日
 昭和40年旧屋敷の約60%、約49坪を毛利町に日光組が移築復元
旧所在地/徳山市毛利町2-16(体育館跡地の北東角)
復元場所/徳山市大字湯野字蔵本4202-2、4202-1
工期/平成14年7月22日〜平成15年9月25日

 第1章 基礎
1.解体、建材の番付
(平成12年6月〜13年1月)
解体工事の時に、使われていた材木・石など全ての材料に番付をしていきます。現場監督はこの作業だけで、半年以上を費やしました。
解体材は永らく夜市旧支所に保管されていました。年を改めいよいよ復元工事スタート。

2.基礎堀方
(平成14年9月上旬)

3.基礎鉄筋
文化財の保護・補強のために、現代風の鉄筋基礎を築きます。
4.基礎型枠
(平成14年9月下旬)
5.基礎コンクリート型枠解体
約10日間経ったら、型枠をはずします。
6.基礎埋戻し
補強目的の鉄筋基礎を埋め、平地に戻します。
7.土壌処理
貴重な文化財をシロアリから守るため、土壌処理を施します。

8.礎石、束玉石
250年前の基礎工事を復元。礎石(そせき)は柱を支える基礎石、束玉石(つかだまいし)は床を支えるものです。

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 第2章 補修
9.タタキ試験
(平成14年9月)
昔ながらの土間などの工法を再現するために、土や石灰、水分の配合試験を実施。
10.材木の調査
柱、差鴨居、母屋木、土台、足固、大引等の材木の状態をすべて点検。
※差鴨居=昔は厚い鴨居を柱に差し、骨組みを固めて揺れを防いだそうです。
11.材木の補修
(平成14年9月〜10月)
梁や柱、差鴨居など傷んで使えない部分を新しい材木で補います。ちなみに写真は梁。
12.補修材の古色塗り
補修した新しい部分を古い材木の色に合わせて着色。
13.茅葺き材料の調査
屋根に使う茅を探し、集めた茅を保存。
14.補修材残材
復元に耐えられないと判断された残材。
※文化財の復元工事は、本来の材料の80%以上を使って復元する事が定められています。
15.地盤のタタキ
(平成14年10月)
マサ土、赤土に石灰を加え、土中の湿気を利用して叩きます。(土が乾燥し過ぎの場合は少量の水を加える)
※三和土=マサ土、赤土、石灰の三つ

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 第3章 組立・構造体
16.組立
(平成14年11月〜)
いよいよ、土台や柱、梁の組立。
17.組立(小屋)
18.足場の組立
(平成14年11月下旬)
高所作業、工事中の建物保護のために素屋根組立をします。
19.屋根部分の組立
(平成14年12月)
素屋根も完成し、本格的に屋根部分に着手。
縄で結ばれた小屋部分(当時は縄だけだったが、復元工事では釘・番線で補強)
屋根勾配
(けっこう、急勾配)

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 第4章 組立・内部
20.床組
(平成15年1月)
地面に見えるのが、床を支える束玉石(つかだまいし)です。
21.根太取付
この部分は、女中の間(脇玄関)だそうです。
22.狭間石の掘付
礎石と礎石の間を狭間石を設置します。
新旧の材木で組まれた
複雑な仕口
面取りされた梁
250年前の鴨居
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 第5章 茅葺き
23.茅葺き
(平成15年1月下旬)
屋根を葺く専門の職人さんの手による茅葺き作業。束ねた茅をコマという道具で叩いて締めていきます。
要所要所に丸太を渡して、茅を固定。
丸太で茅を固定
下から上へと進めていきます。
(平成15年2月中旬)
職人さん5〜6人で完成までに約90日を要した工程です。

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 第6章 土壁塗り
24.屋根の固定
(平成15年2月中旬)
茅葺き屋根部分は、小屋裏側から縄で固定します。
砂しっくい、中塗仕上の壁(写真右)。
※砂しっくい=砂、石灰、海藻を水で煮立てて作ったのりを混ぜたもの
荒縄で手間を
かけて編んだ
小舞組み
25.土壁塗り
(平成15年2月下旬)
梁の下の土壁。下部は、いずれ欄間になります。
250年前の鴨居も土壁で復元。
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 第7章 屋根完成
26.茅葺き屋根の完成
(平成15年4月下旬)
最後に茅をおさえるために、千木(ちぎ)を組みます。
約90日間の作業日数を要した、厚さ約60cmの茅葺き。茅の下の写真部分は下屋(げや)と呼びます。
室町時代の
武家屋敷の趣き
茅葺き屋根全景
山田家本家は中門造ですが、写真左部分(左半分)が中門。
27.筵天井(むしろてんじょう)
土間(台所)の、天井の一部にある筵天井。
むしろ天井は、むしろの上に土をかぶせて暖房効率を高めたらしい。現代の「SCの家」と比べたら雲泥の差じゃね。

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 最終章 完成
完 成(平成15年9月25日 引渡)
周南市大字湯野字蔵本4202-2、4202-1
全 景(中門西・霊舎の間側からの撮影)


表玄関

脇玄関

土間
(女中の間から)

筵天井
(土間)

隠し部屋への階段
(居間北東の縁側)

居間(客間から)

客間(局の間から)

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